原題:still alice ジャンル:ヒューマン 上映時間:108分 公開:2014
若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマ。
もうね、アルツハイマーを映画にしたらダメだよね。
泣かせに来るもの。
この映画をビジネスとしてでなく、純粋に見たらいろいろ考えてしまったので、思うままに気持ちを吐いてみました。
アリスのままでのあらすじと感想
主人公のアリスは3人の子を持つ母親。大学の講師をしていることもあり、とても頭がいいです。
そんなアリスですが、自身のアルツハイマー病を受け入れるのは簡単ではありません。
夫に抱き着いて泣いてしまうシーンは人間的で好きです。
夫もエリートですが、きちんと妻や子供を愛しています。
物忘れをしていくアリスにきつく当たることもあまりありません。(よき理解者であろうとする)
そこが「理想的な家族」過ぎる気がします。
この映画はノンフィクションのような印象を受けますが、
酷い人間が誰も出てきません。そこはリアリティがないように感じます。
病を受け入れたアリスは暗記や単語ゲームで病を食い止めようしますが、アルツハイマーは進行していきます。
トイレの場所が分からず失禁してしまうシーンは涙が止まりませんでした。
私の母は病気がちで、よく倒れるのですが、なんというかそういう場面を思い出してしまったんですね。
あまりプライベートなことは言えませんが、倒れた母を見て何か大きなものを失った気がしました。
一人の女として仕事を頑張り、夫(私から見れば父親)を愛し、私を生んでくれたあの母が、こんな姿になるなんて。
すごくショックでした。汚いとか嫌だとか、そんな感情ではありません。
頼りになる母は、もう老いてしまって、これからは私が支えなければいけないのだと思いました。
母という一人の人間が私の背中にズシリとのしかかって来たのです。
とても焦り、不安になりました。頼れる母はいなくなったのだと感じました。(実際はそんなことないんですけどね)
そんないろんな思いが溢れてきてしまって、号泣してしまいました。
結局アリスはアルツハイマーに侵され、子供の事も、自分が誰なのかも忘れてしまいます。
ラスト
大学に行く行かないでアリスと衝突していた女優志望の娘が父の代わりに、アリスの傍にいることを決めます。
ラストはもう、切なすぎます。
娘があるお話をアリスに聞かせるのですが、アリスは話を理解できません。
それでもこれは「愛の話ね」と言うのです。
愛なんて全然関係ないお話しなんです。
そこがすごくぐっときます。
娘は「そうよ、愛の話よ」と言うのですが、これはこの映画全体のまとめでもあります。
愛なんて映画界には溢れていますが、この映画は他とは違う特別な愛が込められているように感じるのです。
こんな人におすすめ
この映画はアリスを思って泣くというより、アリスと自分の母親を重ねて泣いてしまう方が多いのではないでしょうか。
なので母親を亡くしてしまった方は色々思うところのある映画になるでしょう。
俺の母ちゃんは元気だぜ!という若い方にもぜひ視聴して欲しいです。
好きなシーン
末期のとき、アリスが夫とアイスを食べるシーンがあるのですが、とても胸を打たれました。
子供のような顔をするアリスに、くすっとするような悲しくなるような複雑な感情になりました。
アリスのままでは実話?
実話ではないと思います。
そういった情報は見受けられませんでした…
とはいえフィクションといえど、病気に対する心情はリアルです
アイデンティティ消失の恐怖、子供に迷惑をかけたくないという気持ちなどなど。
だから多くの人の心を揺さぶる映画になっているんでしょうね。
キャスト
監督:リチャード・グラツァー
アリス・ハウランド – ジュリアン・ムーア(高島雅羅)
ジョン・ハウランド – アレック・ボールドウィン(木下浩之)
リディア・ハウランド – クリステン・スチュワート(木下紗華)
アナ・ハウランド=ジョーンズ – ケイト・ボスワース(竹内絢子):
トム・ハウランド – ハンター・パリッシュ
まとめ
娘が可愛い!
スヌーピーの服着てるけど、顔がとても可愛いです。好き。
アリスだけでなく、様々な登場人物に注目してほしいです^^