原題:KRAMER VS. KRAMER 公開:1980年 上映時間:105分
こちらも家族社会学の授業で視聴しました。
家族の在り方、親権、子供は親を愛しているといったテーマがふんだんに盛り込まれています。
結婚も離婚も子育ても大変だけど、得られるものも大きいんだなーと感じました。
ダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが夫婦役を演じているのも見どころです!
クレイマー・クレイマーのあらすじ
テッドとジョアンナの結婚生活は8年目を迎え、一人息子ビリーも7歳となったクレイマー家。ジョアンナは、かねてより家庭を顧みず仕事優先の生活を送るテッドに不満を募らせていた。
そしてある日、ついに彼女は自立を決断し、家を出て行ってしまう。一転して妻に任せっきりとなっていた家事と仕事の両立をせざるを得なくなったテッド。
しかし始めは覚束ないものの、次第に2人の生活にも慣れ、これまで以上に父と子の絆を強めていく。だがそんな中、ジョアンナが突然養育権を訴えてくる
簡単に言えば、
妻が息子を置いて出て行った!息子は俺になつかないし、仕事だってあるのに子育てなんかできるか!
いや、でも案外息子可愛いかも…。
これからは父子二人で生きていく!でも妻が戻り親権を訴えてきた!
はあ!?子供は俺のもんだ!
こんな感じでしょうか。
子育てに明け暮れ疲れたジョアンナ。息子を愛しているけれど、外で働きたい!という気持ちが爆発してしまいます。
夫であり父であるテッドが育児に非協力的なのも出て行った原因の一つでしょう。
残されたテッドはなんとか息子の面倒を見ようとしますが、今まであまり関わっていなかったので、どう接したらいいのか分かりません。
仕事では大きなプロジェクトも抱えているのに…。
なんというか、すごくリアルなストーリーですよね。
私は結婚も子育ても経験した事はありませんが、「分かる分かるー」と思いながら視聴していました。
テッドもテッドで仕事に生きがいを感じて頑張っているんですよ。
それで家族を養っているのです。
でもジョアンナも生きがいを見つけて打ち込みたいんです。
息子を愛しているけれど、一人の人間として生きてみたいという欲求が溢れてしまったんですよね。
だからって出ていくのは息子が可愛そうですが…。
テッドは残された息子のために、幼稚園からお迎えをしたり、ご飯を作り始めます。でも経験がないから、うまくできない。
仕事の資料にジュースをぶちまけるし、ご飯に手を付けずアイスクリームを食べるし、イライラしまくります。
でもそれも子供なりの意思表示なんですよね。
お母さんに会いたい、お母さんはこうしてくれた、お母さんはドコ?
見ていて胸がギュっとなりました。
しかし時間がたつにつれ、父テッドと子供の絆は強くなります。
一緒に寝たり、公園で遊んだり・・・・。
テッドも息子の事を正面から受け止め、愛していくのです。
しかし!
家事育児に時間を割いているせいで仕事が上手くいかなくなるのです!
大事な会議があるけれど、息子を先に送らなきゃいけない。迎えないといけない。
そしてテッドは仕事をクビになります。
でもテッドは思います!息子と一緒に居る時間は何よりも大切なのだと。
なんという父親。かっこいいです。
でもそんな時、出て行ったはずの妻ジョアンナが戻ってきます。
「気持ちが落ち着いたから、息子を引き取りたい」
テッドは切れてレストランでジョアンナに水をぶっかけます。
せっかく息子との絆が強くなったのに、いまさら戻って何を言うんだ!という気持ちは賛同できます。
でもねー、ジョアンナの気持ちも理解できるんですよね。
気持ち的にいっぱいいっぱいだった状況から逃げて、一息つくことは大切なことだったんです。 息子の事も愛しているんです。
だからどちらが正しい、悪いというのは無いんですよね。
でも子供をどちらが引き取るか決めなくちゃいけない、ということで裁判が始まります。
次の展開が非常に気になる映画です。
クレイマー・クレイマーのラスト
大人同士の卑劣な親権争いが法廷で行われます。
そのときテッドは仕事をクビになっており、ジョアンは給料のいい仕事に付いていました。子供と過ごしてきた年月の長さもあり、結局親権は母親のジョアンナに渡ります。
息子は母親と再びあえて喜びますが、父と離れることを悲しみます。
ほんと子供に罪は無いのにね。
まあ結局、父子の仲の良さを知ったジョアンは涙を流し、親権をテッドに譲ります。
でも息子を愛してないわけじゃないんです。
ジョアンナは息子にさよならを言うためアパートのエレベーターに乗り込みます。
テッドはそんなジョアンナを見つめる、というエンディングで映画は終わります。
初めは作れなかったフレンチトーストも最後は2人で協力して作れるようになる。
いろんな意見がある映画
時間はそんなに長くありませんが、見応えがあります。
別に頭を使うわけではありませんが、いろいろ感じることが多い映画だと思います。
性別、年齢、結婚、離婚、子育て経験の有無で意見がまったく異なる映画でもあるでしょう。
私はこの終わり方で良かったと思います。
夫婦の関係が再構築されれば、一番良かったんですけどね。
親と子の繋がりって夫婦と違って、切っても切れない、切られてはならないのだと思いました。
キャスト(吹き替え)
監督:ロバート・ベントン
ダスティン・ホフマン 東地宏樹
メリル・ストリープ 田中敦子
ジャスティン・ヘンリー 矢島晶子
ジェーン・アレクサンダー 日野由利加
まとめ
仕事時間の関係で、男性は女性より育児にかける時間が少ないというデータもあります。
本作はエンタメ映画ではありますが、育児、家族、仕事について考えるきっかけになる社会派映画でもあるのです。