原題:Zootopia 公開:2016年 上映時間:108分
ディズニー映画にしては、だいぶ重いテーマです。
例えば生まれや種族による差別。
差別なんてダメだ!当り前じゃないか!という内容ではなく、
弱者、強者、どちらの差別や苦悩も分かりやすく描かれていたのが良かったです。
こんな深いテーマをよく子供向けのディズニー映画に落とし込みましたよね~。
脱帽しました。
でも!
ミステリーっぽいストーリーも普通に面白かったですよ!
「ミュージカルみたいに歌えばなんでも解決するわけじゃないんだ」とキャラクターが言っちゃうし。おいおいそれはディズニー映画のウリでしょーが!
ズートピアのあらすじ
ハイテクな文明を誇るズートピアには、さまざまな動物が共存している。
そんな平和な楽園で、ウサギの新米警官ジュディは夢を信じる一方、キツネの詐欺師ニックは夢を忘れてしまっていた。
そんな彼らが、共にズートピアに隠された事件を追うことになり……。
簡単に言えば、
うさぎで初めて警察官になったジュディと、詐欺師の狐ニックが共に事件を解決するというストーリーです。
その事件とは、肉食動物の誘拐です。
なんと14人も誘拐されたとか。
一体誰が?目的はなんなのか?
調べてみると誘拐された肉食動物は凶暴化していました。
まるで古代の動物のように、肉食らしい性格に戻っていたのです!
肉食動物も草食動物もみんな仲がいい!それがズートピアという街!
という前提が覆るのです。
そして変貌した肉食動物を誘拐していたのは、街の市長ライオンでした。
肉食動物が凶暴化しているという事実を隠蔽しようとしたとか、隔離して治療するつもりだったとか。
とにかく、ズートピアの市民は混乱します。
肉食動物を隔離すべきというデモも起こる始末。
いやー、リアル社会ですねぇ。
野生に戻った肉食動物は隔離すべきでしょうが、普通の肉食動物はどうするのか??
つーかそもそも何で凶暴化したのか?
ジュディはある野菜を食べると、動物が凶暴化すると気づきます。
肉食か草食かは関係無かったんです。
では意図的に肉食動物を凶暴化させているのは誰なのか?
それは副市長であるヒツジでした。
いやー、このヒツジ怪しいと思ったんですよ!!やたら小動物は弱い、そんな中で頑張るうさぎのジュディはすごいわ!なんて言っていたし。
映画が好き、ミステリーが好きな人なら序盤で誰が犯人か気付くかもしれません。
そこが少し予定調和というか、残念でした。
まぁコテコテのミステリーにしたらディズニーっぽくないですし。
冒険、ミステリー、努力といったテーマを上手いこと組み合わせているとも言えますね。
ジュディとニックは最初険悪でしたが、危機を一緒に乗り越えていく中で、仲が良くなるのは見ていて面白かったです。
急に仲良くなるのではなく、お互いが助け合って、相手を見直していくという過程もしっかり描かれていましたしね!
ニックが最終的に警官になり、ジュディとタッグを組み続ける終わり方は、よくある終わり方ですけど。
まあハッピーハッピーエンドという事で!
うまくまとまった映画に仕上がっていますよ!
なんだそのギャグ!
「ズートピア」の面白い点はここですよ!ギャグですよ!
特にやたら動きのおっそ~~~~いナマケモノが仕事をする場面。
観客みんなが笑いを堪えいきれず「プププ」と笑いを漏らしていましたね。
ズートピアにはヌーディストビーチみたいな所もあって、そこに入り込んだジュディが恥ずかしがるシーンも良かったです。
私たち人間からしたら、裸の動物も擬人化された動物も見慣れているんですけどね。
あの世界に住むジュディから見たら、裸の動物がヨガをしているのは「異様」なんですよね。
見る側の当たり前と、映画の中で生きる側の当たり前のギャップをうまく描いていました。
しかし!
私が一番好きなシーンは、マフィアのボスが出てくるシーンです。
なんていうか、見るからに「ゴッドファーザー」なんですよね。
声優さんも同じ山路和弘さんだったし。
音楽や喋り方も「ゴッドファーザー」っぽくて、それだけでもう「この映画最高だわ」となってました。
ニックがかっこいい!
キツネのニック。
ジュディの優しさにつけこむ詐欺師です。
序盤は「夢なんて叶わない、生まれは変えられない」と言うムカツク野郎ですが、ニックは実はむかし、キツネだからという理由でのけ者にされていたんですね。
口輪までされて。
そんなわけで心が少し歪んでしまいますが、ジュディのまっすぐな心に触れ変わっていきます。
ジュディのおかげで、ニックも前向きに、自分の生まれに拘らず生きていくようになるのです。
しかしなぜここまでニックは人気なのか?女性にキャーキャー言われているのか。
それは「優しくて、キザで、かっこいい」からです!
ジュディのことを真っすぐに見つめ、手を差し伸べる。けっしてジュディを置いて行かない。ユーモアのセンスもある。ニックと一緒に過ごすジュディはいつもニコニコしていました。
ほんと、この二人すごいお似合いなんですよねー。キスこそしませんが、とてもいい雰囲気です。
なのでちょっとしたラブストーリーとしても本作を楽しめると思います。
私が一番好きなニックのセリフは「傷ついてたら負けだぞ」ですね。
怒るでもなく、諭すでもなく、ジュディに語り掛けるニックはとてもかっこ良かったです。
声優が森川智之さん、というのもニックがかっこいい理由の一つでしょうね!
キャスト
監督:リッチ・ムーア 映画シュガーラッシュの監督です!
ジュディ・ホップス ジニファー・グッドウィン 上戸彩
幼いホップス デラ・サバ 稲葉菜月
ニック・ワイルド ジェイソン・ベイトマン 森川智之
幼いニック キャス・スーシー 長谷川斗輝
ボゴ署長 イドリス・エルバ 三宅健太
ベルウェザー ジェニー・スレイト 竹内順子
クロウハウザー ネイト・トレンス 高橋茂雄 (サバンナ)
ボニー・ホップス ボニー・ハント 佐々木優子
スチュー・ホップス ドン・レイク 大川透
ヤックス トミー・チョン 丸山壮史
ライオンハート市長 J. K. シモンズ 玄田哲章
上戸彩の演技が上手で、初めてズートピアを見た時はびっくりしました!
彼女、映画「名探偵コナンゼロの執行人」にも登場していますよね。
まとめ
冒険、ミステリー、ラブ
いろんな要素が詰まったディズニー映画「ズートピア」!
大人も子供も楽しめるように仕上がってますので、未見のかたはぜひ見てください