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映画「明日君がいない」実話?自殺したのは誰か?あらすじ、考察

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映画「明日、君がいない」

キャッチコピーは「追いつめられても、SOSが届かない」

この映画を2回も見てしまったことを後悔しています。

3年ほど前、タイトルに魅かれてレンタルしました。そして過去にレンタルしたことを忘れて最近また借りてしまいました。

いやー、キツイです。内容がとてもエグイ

心の奥をスプーンでグリグリされて、内臓全部くりぬかれるような感覚です。

考察好きな人は好きなんでしょうけどね。私は苦手です…。

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映画情報

タイトル:明日、君がいない

原題:2:37

公開:2006年

上映時間:99分

あらすじ

午後2時37分。ある高校で誰かが自殺を図る。

自殺するのは誰なのか、いったい何が原因だったのか。

時間は戻り、真実が明らかになる…。

なーんて言えばすっごくワクワクしますよね。

まるでホラーサスペンスみたいな。

でも実際はそんな生易しいものではありません。

始めに誰かがトイレで自殺をします。物語でいえば、起承転結の起ですね。

そこまでは良いんです。

その後は、精神的につらいシーンが多いです。

つまり自殺が起こる2分37秒以降の「明日、君がいない」は見る人をかなり選ぶ内容となっています。

ちなみにこの2分37秒は原題でもあります。

何がそんなにキツイの?

何がキツイって、主な登場人物6人が今にも自殺しそうなくらい、色んな悩みを抱えてるってことですよ。

「ワタシ、時々死にたくなるの…」なんてツイッターでつぶやくメンヘラ風女とは違います。

ここで登場人物について軽く紹介します。

・優等生男子マーカス

ピアノを弾いちゃう男の子。右手には包帯。その理由は後半で明らかになる。

・マーカスの妹メロディ

両親は兄ばかりに構う。自分は要らない子なのか悩む。

・ムキムキ男子ルーク

マッチョでかっこいい男の子。女子からはモテモテで、休み時間は恋人サラとトイレでセックス。

・ルークの恋人サラ

ルーク大好き、ルーク大好き!彼も私が好きなのよ!私が一番!

アメリカ映画でよく見る典型的な女子高生。

・オタクのスティーブン

先天的な排尿障害を持つ。おむつを着用していることや、漏らしてしまう事をいじめられている。

・ゲイのショーン

男が好きなゲイ。そんな自分に悩み、マリファナに手を出す。麻薬中毒者。

濃いキャラクターばかりですね!

障害、いじめ、ドラッグ等、センシティブな問題がいっぱいです。

かと言って携帯小説のように軽く扱っているわけではありません。

ちゃんとそれぞれの人間を、ドラマを描いています。

だからこそ、見る人にとっては気分が悪くなるのです。

いい意味でも、悪い意味でもリアル過ぎるんですよ。

すぐ影響されちゃう人、元気がない人は見ない方がいいレベルです。

それぐらい、観客に衝撃を与える映画であるとも言えますけどね!

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表現方法

「明日、君がいない」は手持ちカメラでそれぞれの登場人物をインタビューする形式と、学校生活を交互に見せてくれます。

なので最初は誰が誰で、どんな悩みを抱えているんだっけ?と混乱しました。

さらに字幕で見るとインタビューシーンの時、文字がひっきりなしに出るので読むのが大変でした。

奇抜な撮影方法!という訳では決してありません。

でもこの内容の映画で、ちょっとドキュメンタリーっぽさを持ってくるのは、すごくセンスがあると思います。

インタビューを所々入れる事で、この学校で起こったことがリアルだと錯覚させてくれるのです。

ちなみに、監督のムラーリ・K・タルリは19歳の時に映画を完成させたとか。その感受性はどこから来るんでしょう。監督が親友の自殺から発想を得た、と言われていますが…。

(ノンフィクション、実話ではありません)

それでもその壮絶な体験を映画という形にできるなんて、スゴイとしか言いようがありませんね。

驚きの事実!

物語終盤、色んな事実が明らかになります。起承転結で言えば転でしょうか。

一つ目の事実

ムキムキイケメン男子も、実はゲイだった!

ゲイだとばれないように女の子と付き合っていたんですねー。

薬中でゲイだとすでにカミングアウトしているショーンは、ムキムキ野郎のカモフラージュにいらいらして喧嘩になりますが、最後にはトイレで熱いキスを交わします。

中々熱いシーンでした。役者さん、あっぱれです。

ジェンダーの問題というのは、中々難しいですね。周りの理解もそうですが、本人が自分を理解することも大切だと思います。

二つ目の事実

がり勉兄のマーカスは、妹のメロディを強姦していました。

そのせいでメロディは妊娠してしまいます。

このシーンが一番つらかったです。

強姦シーンって、演技だと分かっていても辛くなっちゃうんですよね…。

(今敏の「パーフェクトブルー」も苦手です)

叫び声や抵抗、男の力の強さが表現されていて、吐き気がしました。

ここまで映さなくていいだろって本気で思いました。

でも映画には必要なシーンだったんでしょうね。

 

結局誰が自殺したのか?

それは劇中ちらっと出ていたケリーという女の子です。

見返すと分かるのですが、ちらっとと言っても、モブではありません。

ケリーは悩める登場人物たちに、優しく声をかけていました。

いじめられいるオタクのスティーブンにはティッシュを渡しています。

そんな彼女がなぜ死んだのか?それは分かりません。

その分からない部分が、本作のテーマでもあるのです。

みんなが口にします。「彼女がそんなに思い悩んでいたなんて…」と。

一番怖いのは、「死ぬかもしれない」「死にたい」と言う人ではないんですよね。

何も言わない人間が一番、死に近いかもしれないのです。

死んで始めて認識される人間。こんな悲しいことって無いですよ。

映画を見終わった後、「明日、君がいない」という邦題の意味を考えずにはいられませんでした。

そういえば引きこもっていた時、「私がいなくなっても、誰も困らないんじゃないか」「居なくなっても1年したら忘れるだろうな」とか考えてました。

当たり前ですが、そういう考えはダメですよね。

今なら分かりますが、気分がどよ~んとしている時は中々気づけませんでした。

まとめ

辛く、重く、冷たい映画です。

できるなら二度と見たくはありません。

でも自分の存在を確かめたくなったとき、また見てしまうかもしれないです。

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