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映画「ハッピーエンドの選び方」あらすじ、感想、ネタバレ。安楽死について考える

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原題:MITA TOVA/THE FAREWELL PARTY  公開:2014年  上映時間:93分

人生の終盤に差し掛かった老人たちの最期の選択に迫るヒューマンドラマ映画!!

平均年齢が高い映画だなー。

尊厳死、認知症、老いと病。テーマはすごく重いです。雰囲気も暗いです。

それなのになんだこの明るいポスターは!詐欺もいいとこですよ!

笑えて最後はほっこりする映画かなーと思って見たら、葬式みたいな雰囲気で戸惑いました。

映画のテーマ

本作は尊厳死、安楽死をテーマに置いています。

ある程度大人になった人間なら、一度はしっかり考えるべき問題でしょう。

安楽死はだめ!とかそういう話ではありません。

自分がもし不治の病にかかったら?すごくすごく大切な愛する人が病にかかったら?あなたはどうしますか?

ちょっと考えてみてください、と問いかけているのです。

もちろん取り扱っているテーマがテーマですから、賛否両論のある映画ではあります。しかし私は「安楽死は正しい、悪い」に重きをおかず、レビューしていきます!

その前にまずはあらすじを。

序盤:安楽死装置完成!

エルサレムの老人ホームに暮らすヨヘスケルはユニークなアイディアでみんなの生活を少しだけ楽にするような発明が趣味。

例えば神様へと繋がる電話。がんを患うおばあちゃんがその電話で弱音を吐くと、神様がもう少し治療を頑張りなさいと答えてくれます。

といってもヨヘスケルが神様を演じているだけなんですけどね。

ある日入院中の友人おじいちゃんがか細い声でいいます。「苦しい、死にたい」と。おじいちゃんの妻とヨヘスケルは、どうにか彼が苦しまずに死ぬ方法を探します。

んで手伝ってくれるのはおじちゃんゲイカップル

おじいちゃんゲイカップルです。しかも一方には奥さんがいるのです。

スゴイ老人ホームですね。スキャンダラスじゃないですか。

話を戻します。

もちろんイスラエルは安楽死を認めていないので、医者は何が何でも患者を生きさせようとします。

そこでヨヘスケルが安楽死装置を作ります。

自分でスイッチが押せて、自分のタイミングで死ねるような装置です。

そして病気で苦しむおじいちゃんは、妻にキスをし、ボタンを押して息を引き取るのでした。

妻やヨヘスケル達は悲しみの涙を流します。

中盤:認知症の妻が死を望む

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ヨヘスケルは安楽死装置で友人を救ったと思います。でもヨヘスケルの妻レバーナは殺したと言うのです。

難しい問題ですね。ボタンを押したのは病に苦しむ友人本人ですが、安楽死装置を作ったヨヘスケル達にはなんの責任も無いのでしょうか。

どこから漏れたのか、老人ホームでは安楽死装置のうわさが広がります。「病に苦しむ妻を殺してやってくれ」「もう死にたい」そんな老人ばかりです。

気の滅入る老人ホームですね。

そんな折、ヨヘスケルの妻レバーナが認知症になります。公園の残飯をあさり出したのです。娘は施設に預けるべきだと言います。でもヨヘスケルは認めません。

最愛の妻と一緒に居たいんでしょうね。

でもレバーナの症状は進行していきます。裸でうろついてしまったのです。

友人たちはレバーナを慰めるため、夜の庭で裸になり「こんなことわけないさ」と酒を飲み始めます。

いい友人たちですね。身体はブヨブヨですが、心が優しいです。

ヨヘスケルはレバーナの世話で忙しいので、安楽死の請負は友人たちがやることになります。色んな場所へ行って、死にたがる人に死を与えるのです。

でもその友人の一人がお金をせびっていたことがバレて仲間割れになります。

やっぱりお金がかかると人間関係はダメになりますね。

そしてレバーナは自分が自分でいるうちに死にたいと考え、安楽死装置を使いたいと思うようになります。

もちろん自分が作った装置で妻を死なせるわけにはいかないと、ヨヘスケルは怒ります。

今までさんざん、死を望む人に死を選ばせてきたのに。

自分の妻が死を望むとうろたえ、怒るのです。

でもそれが人間ってもんですよね。他人が死にたがったって、別にいいんです。死で救ってやればいいんです。

でも自分の最愛の人が死にたいと言ったら?

どうするのが一番いいんでしょうね。

終盤:妻の死を決意する

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薬を大量に飲み自殺未遂を起こしたレバーナを見て、ヨヘスケルは決心します。

そしてレバーナは、ヨヘスケルが作った安楽死装置を使い、認知症で自分が失われる前に、死ぬのでした…。

映画は二人がキスをして終わります。

その後の事は分かりません。

しかし残された人は苦しみ悩むでしょう。

それがまたツライことでもあります。

認知症だから死ぬの??死んだあとはどうなるの?

映画「アリスのままで」でも、アルツハイマー病にかかった大学教授の女性が、自分を失う前にと自殺を考えます。

それは納得できたんです。

彼女は残された夫や子供たちに迷惑をかけたくないと思ったから。自分の脳が壊れるのが許せなかったから。

でも本作ではどうでしょう??

レバーナは本当によく考えたのでしょうか?正直そんなシーンはありませんでしたよ。

自分を失ことに切羽詰まっているように見えませんでした。

認知症が進行するのが怖いからって、死んでもいいんですか?

夫は妻を殺していいんですか?

本当に愛しているなら、もっと寄り添ってあげましょうよ。

レバーナもレバーナです。自分が死んだあと、夫ヨヘスケルが苦悩すると分からないんでしょうか。

死ぬなら死んだ後の、残された家族のことも考えてあげましょうよ。

 

まとめ

ポスター、予告編、タイトルが映画の内容と合ってないよ!!

ポップで心温まるハッピーな物語じゃなかったよ!

悲しくて切なくて、でも心に残る映画だったよ!

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