原題:Birdy 公開:1984 上映時間:120分
精神病を患い心を閉ざした青年バーディを、親友アルが立ち直らせようとする物語
心を病んでしまったバーディの、鳥になりたいという願望を表現したシーンがスゴイ。
瞬きせず虚空を見る顔は、まさに抜け殻です。
重いストーリーですが、まずはネタバレを見ずに鑑賞して下さい!
バーディのあらすじ
1960年代。ベトナム戦争で顔に大怪我を負って前線を離れた青年アルは、昔からの親友で同じくベトナム前線を離れた青年バーディに会いに行く。
しかし親友バーディは軍の精神病院に入れられ、魂が抜けたように虚空を見つめている。
身体を縮こめて。
バーディは昔から、ちょっと変わっていた。
アルは高校生男子らしく騒ぐこと、楽しいこと、女の子が大好きなのに、バーディは異常なまでに鳥に執着し、鳥になりたがっていた。
鳥になりたすぎで高いところから飛んでしまい、怪我をすることもあった。
アルはそんな危なかっしい親友バーディを見守りつつ、一緒にバカをやっていた。
昔の思い出話しをするとバーディが元に戻るかもと考えたドクターは、アルにバーディを任せる。
アルは戦争で傷ついた自分の顔の話や、昔のバカを話す。
しかしバーディは反応しない。
ずっと部屋の空間を見つめている。
どんなに昔の思い出話しをしても正気に戻らないバーディに、アルは苛立つ。そしてドクターもこれ以上は無駄だと思い、アルに基地へ戻るよう言う。
バーディは戦場で乗っていたヘリが落ちてしまう、という体験をしていた。
人が死んで、ヘリが落ちて、空を鳥が飛ぶ。
バーディは沢山の鳥が飛ぶ空を見上げて、どうして僕は人間なんだ、鳥じゃないんだと訴えるように大声で叫ぶ。
バーディのラスト
アルは親友バーディを正気に戻せないことを悔やみ、戦争の恐怖も相まってかバーディを抱きしめ「ここに残る」と言う。
すると突然、バーディはアルの名前を呼び始める。
正気に戻ったのか?!
しかしドクターは信じてくれない。アルとバーディを引きはがそうとする。
アルはドクターを押しのけ、バーディと共に屋上へ逃げる。
そして。
屋上に上がったバーディは両手を広げて、鳥のように空へ飛んだ。
しかしバーディは地面へ落ちたのではなく、段差をポンと降りただけだった。
心配するアルに、バーディはどうしたの?と笑って映画は終わる。
バーディの感想
ラストが良い。
ファイトクラブ並みに良い結末です。
ジェイコブスラダーとはまた違った余韻が残ります。
鬱展開が好きな私としては、飛び降りたバーディが死んでしまったというオチも好きですけどね。
ケロリとしたバーディに戻る、というオチも中々良いエンディングだと思います。
何がバーディを正気に戻したのか。戦争への恐怖、兼ねてからの願望、人生への悲観。
様々な闇に囚われて魂を落としてしまったバーディは、
きっとアルの顔や言葉で魂を見つけて、屋上から飛び降りる事で魂を取り戻したんじゃないかなーと思いました。
多分バーディは暗いところにいて、アルが光を当ててくれたんじゃないかなー。
バーディにとってアルは生命線のような気がします。
また1960年代の雰囲気が映画に合っています。この時代の不穏さというか、暗い感じが映像だけで伝わってきます。
バーディが危険なことをしたがるシーンの曲は、静かで恐ろしくて、観客もハラハラしてしまいます。
しかしラストのけろりとしたバーディと軽快な音楽が観客をホッとさせてくれます。
カメラワークも昔っぽーいですが、そこも楽しめる映画です!!
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キャスト
バーディ :マシュー・モディーン
イケメンでかっこいい!ヌードも嫌らしくなく、丸めた身体から鳥になりたいという気持ちが伝わってきます。すごい演技でした。
アル・コランバト : ニコラス・ケイジ
あまり好きな俳優ではないのですが、若くてヘタレな感じが良かったです。腹筋バキバキ!
ワイス :ジョン・ハーキンス
アルの父 : サンディ・バロン
ハンナ・ローク:カレン・ヤング
レナルディ:ブルーノ・カービー
まとめ
映画バーディは、もし自分以外の何かになりたいと思った時に見たくなるような映画でした!!