ほんとにたまに見たくなる人間ドラマ映画「レインマン」
成人して見るのは今回が初めてで、映画に対する考え方が変わっていた自分にとても驚きました。
人間とは障害とは、愛、家族についてノンストップで、でも優しく考えさせてくれる映画です。
このページでは映画レインマンのあらすじ、感想、モデルについて紹介します。
レインマンの映画情報
タイトル | レインマン |
原題 | Rain Man |
公開 | 1988年 |
上映時間 | 134分 |
レインマンのあらすじ
高級外車のディーラーをしているチャーリーの元に自分を勘当した父の訃報が届く。
遺産目当てに故郷に戻った彼だったが、遺産の300万ドルは見た事もない自閉症の兄、レイモンドの手に渡る事を聞かされる。
なんとか金を物にしようとチャーリーは施設にいるレイモンドを誘拐まがいに連れ出し、ロスに戻ろうとする。
しかし人を利用するチャーリーに、恋人はお手上げ。
チャーリーは兄レイモンドと二人でロスに戻るが、旅は上手くいかない。
自閉症とあってレイモンドと意思の疎通をはかるのは困難だし、決められたルーチンを破らるとレイモンドは大声を出す。
いつもの環境から出てしまったのだから、不安で落ち着きが無くなるのは当然だ。
チャーリーはそんなレイモンドにイライラするが、接していく内に心に変化が訪れる。
例えば、嘘ではなく真実を言うことで人に助けて貰える。
嘘つきのチャーリーはそれを知ったりする。(自分では気付いていないかもしれない)
そしてチャーリーは子供の頃に遊んだ空想上の友達、イナジマリーフレンドが実はレイモンドだと知る。
チャーリーはただ幼かった故、兄の記憶を忘れていたのだ。
しかし兄レイモンドは忘れていなかった。
お金の概念は分からないけれど、弟が大事な存在であるとレイモンドは分かっていたのかもしれない。
また自分を愛してくれなかった父親が、レイモンドを施設に入れる事で自分を守ってくれていたと、チャーリーは知る。
確執があった、父は自分を愛してくれていないと思っていたチャーリーは、レイモンドを通して父の愛に触れたのだ。
レインマンのラスト
父親の遺産のためレイモンドと一緒にいたチャーリーだったが、
彼と触れ合う内に金ヅルではなく唯一の家族として一緒にいたいと思うようになる。
しかし医者や弁護士はレイモンドを病院に入れたほうがいいと思い、レイモンドにどうしたいか尋ねる。
チャーリーと一緒にいるか、病院に戻るか。
二つの文が相反していると理解できないレイモンドは、少しパニックになる。
そんなレイモンドを見て、チャーリーはこれ以上彼に何かを求めたり、質問攻めにしたりするのは良くないと思い、一緒に住むことを諦めることにした。
傲慢だったチャーリーの、兄に向けた優しさ。
レイモンドが兄貴で良かったと言うチャーリーに、おでこをぶつけて応えるレイモンド。
感情を言葉にできなくても、心を通じ合えることはできる。
ラスト、列車で病院に戻るレイモンドを、二週間後に会おうとチャーリーは笑顔で見送るのだった。
レインマンの感想:弟チャーリーについて
あらすじを書いているだけで、胸がジーンとなります。
自閉症については近年様々な情報が溢れ、理解も深まっています。
しかしこの時代はまだ、研究も進んでいませんでした。
騒いだり、同じ言葉を繰り返したり、おかしな人として見られるレイモンドを中々受け入れられないチャーリー。
これは人として当然の反応だと思います。
自閉症のレイモンドにイライラするチャーリーを最低!と責める人は、本当に理解していない人だと思います。
障害者を家族に持つ人の中には、その事実を受け入れられない人もいます。でもそれを責める事は誰にもできないはずです。
チャーリーはレイモンドと接していく内に、レイモンドを兄として受け入れられる様になります。
またレイモンドを通して父の愛に触れ、心が穏やかになります。
映画レインマンは、乱暴で身勝手なチャーリーの変化の物語とも言えるでしょう。
子供の頃は兄で自閉症のレインマンばかりに目が向いていましたが、この歳になってもう一度映画を見てみると、弟チャーリーの心情ばかり考えてしまいました。
自閉症について向き合う時間が、子供の頃より増えたからかもしれません。
見る歳によって感想や考えが変わって来る映画だと思います。
レインマンの感想:兄レイモンドについて
それでは、レインマンことレイモンドはどうでしょう。
感情を表現できない、概念が理解できないレイモンドは、旅を通して何かを得られたでしょうか。
私はイエスだと思います。
レイモンドもチャーリーと接することで、何かを得たと思うんです。
それは優しさ、理解力など言葉にできないものです。
ラストシーンは2人が離れる描写ですが、そこに悲壮感はありません。
また会えるとチャーリーは笑顔を残すし、レイモンドもいつものように携帯テレビを弄ります。
遠く離れて暮らしても、二人は家族だから、心はきっとずっと一緒だと。
そんな感想を抱きました。
文字にすれば安っぽくなってしまいますね。心優しい泣ける映画ですが、レイモンドを見る周りの目、自閉症だからと小馬鹿にするチャーリー、パニックになるレイモンドを守ろうとするチャーリー。
二人の人間の物語ですが、そこには色んな感情が渦巻いています。
どれもが当たり前の感情です。
絶対にあり得ない、奇跡の感動ストーリーじゃないからこそ、映画レインマンは多くの人の心を引きつけて、揺さぶるんじゃないかと思いました。
好きなシーン
Kマートのパンツが欲しいと繰り返すレイモンドに、
パンツはどれも同じだ!!パンツはパンツだ!!と叫ぶチャーリー。
このシーンは笑っちゃいました。
パンツはパンツだけど、いつものパンツ以外はパンツじゃないんですね。
これは自閉症関係なしに、誰にでもあるシチュエーションだと思います。
コカコーラ以外はコーラじゃない!なんでペプシ買ってきたんだ!コカコーラがいいんだ!みたいな。
ちょっと違うかな。
でもこのシーンはほっこり、笑えるので好きです。
二つ目に好きなのは、
レイモンドが、チャーリーの頭を乱暴に、ベシベシ撫でるシーン。
このシーンが好きな人は多いんじゃないでしょうか。
気を使う、優しくする事ができない、理解できないレイモンドの行動に意味を見つけることは難しいでしょう。
しかし考えてやった事じゃなくても、感動的に捉えすぎなのかもしれないけど、レイモンドはチャーリーを大事に感じているのではないかと思いました。
またテリトリーを重要とし触れられるのが嫌なレイモンドが、自分からチャーリーの頭をベシベシする。
心が確かに通じた、通じ合おうとした瞬間だと思います。
このダンスシーンも優しさに満ち溢れていて好きです。
レインマンのモデルはキムピークさん
レインマンのモデルとなったキムピークさんは2009年に逝去されています。
彼の役を演じたダスティンホフマンは何度もキムピークさんに会い、役作りに励みました。
床に落ちた爪楊枝を瞬時に計数したキムピークさんの実体験はそのまま映画のエピソードとして出てきます。
しかし自動車の運転などは難しかったそうです。
サヴァン症候群に関する本でおすすめなのが「ぼくには数字が背景に見える」です。
普通になれない悩み、人と違う自分を認めることについて書かれています。
キャスト
監督 | バリー・レヴィンソン |
製作 | マーク・ジョンソン |
レイモンド | ダスティン・ホフマン |
チャーリー | トム・クルーズ |
スザンナ | ヴァレリア・ゴリノ |
ルーナー医師 | ジェリー・モーレンブ |
ジョン・ムーニー | ジャック・マードック |
まとめ
レインマンを見るとレナードの朝が見たくなります!!
レナードの朝の方が切なくて好きですが、レインマンも俳優たちが素晴らしくて胸が震えますね!
特に役作りがすごいダスティン・ホフマンの演技には片時も目が離せません!!