治療不能の難病に挑む医師と、一人の重症患者との交流を描いたヒューマンドラマ映画「レナードの朝」
主演はロバートデニーロとロビンウィリアムズです
思い入れがある映画はあえて感想を書かないんですが、ロビンウィリアムズの命日ということで、筆を取ることにしました
ロビンウィリアムズの映画では本作「レナードの朝」が1番好きです
彼の演技は素晴らしく、正直言って怖いくらいです。
このページでは「レナードの朝」のあらすじ、感想、ロビンウィリアムズについてを色々語っちゃいます。
*ロビンウィリアムズで画像をぐぐるとグロ画像がでるので気をつけてください
レナードの朝の監督ペニーマーシャルさんが亡くなられました
ご冥福をお祈りいたします
映画情報
タイトル | レナードの朝 |
原題 | Awakenings |
公開 | 1990年 |
上映時間 | 121分 |
ロビンウィリアムズについて
ロビンウィリアムズはコメディアン俳優です。
ディズニー映画アラジンのジーニーの声を担当しています。
日本で言う山寺さんのような感じでしょうか。
映画では『ミセスダウト』『いまを生きる』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『ナイト ミュージアム』シリーズなどに出演しています
彼は2014年に天国に旅立ちました
死因は色々言われていますが、鬱やアルコール依存症による自殺である可能性が高いです。
コメディアンとして多くの人を笑わせ、グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちで数え切れない人を勇気づけたロビンウィリアムズが自殺をしたというニュースは、私の心に深い影を落としました
それ以来、レナードの朝が持つ意味が私の中で変化しました
ただの感動映画から、ロビンウィリアムズが永遠に生きる作品へと
レナードの朝を見ていると、生きているロビンウィリアムズに触れることができるような気がするのです
コメディ映画「ミセスダウト」では、こんな感情抱きません
どうしてレナードの朝を見ると、ロビンウィリアムズの永遠性を感じるのか。
それはストーリーと彼の演技にあると思うのです。
ロビンウィリアムズの経歴についてはこれくらいにして、次にレナードの朝のあらすじと感想を紹介します
レナードの朝のあらすじ
精神病院に赴任した医師セイヤーは、体を自由に動かせない患者たちにボールを受け止める反射神経があることを発見
さらに、30年間も半昏睡状態で病院暮らしを余儀なくされていたレナードに新薬を投与することで、彼を奇跡的に目ざめさせる
レナードは言葉を話し、自力歩行が可能になったのだ
半昏睡状態だった患者たちは過去を取り戻すかのように生き生きとしだす
時にはみんなで遠足にいったり…
だが薬の効果は長くは続かなかった
誰もが前のように、身体を動かしにくくなっていく
昔の自分に戻るのが怖いレナードは、マルコム医師と衝突するが、最終的に二人は同じ志を持つ
そして遂に、レナードをはじめ、同じ薬を使った患者たちは全て元の状態に戻ってしまう。
自分のしたことに疑問を感じ、罪悪感すら抱くマルコム医師を、常に彼を支えて来た看護師のエレノアは優しく慰める。
マルコム医師は、その後も治療を続けた。
患者たちの状態が改善することもあったが、1969年の夏に起きたような目覚ましい回復が見られることはなかった…
レナードの朝の感想
この物語はフィクションです
原作本(ノンフィクション)を映画向きにいじっています
ですが、この物語は人間の死や、命の尊厳について触れているので、何もかもが虚構と言う事はできません
感動映画で泣けるんですけど、だからって「泣ける映画!!感動するから見てよっ!」とは言えません
言語化するのが難しいのですが、レナードの朝はただのエンタメ映画じゃないんですよね。少なくとも私にとっては。
マルコム医師もレナードも、ほとんど狂気ですよ
ロビンウィリアムズはまさに悩める医師で、ロバートデニーロは自己を失う患者で、とうてい演技しているようには見えません
それがもう本当に怖い。
病人を演じる俳優の演技はいろいろ見てきましたが、個人的にロバートデニーロを越える人はいないと思います
それくらい魂がのっているんですよね
さすがロバートデニーロです
で、ロバートデニーロより魂がのっているのがロビンウィリアムズです
医師である彼が患者を真似て身体を硬直させるシーンがあるのですが、それがもう、息を飲みます
視聴者とロビンウィリアムズの呼吸がピタっと止まるシーンです
ほんとうに、魔法にかかったように、自分の身体も動かなくなります
時を止めるほどの演技なんです
でも、その1秒に、ロビンウィリアムズの永遠性を感じるんですよ
視聴者とロビンウィリアムズの呼吸が止まったその1秒に、生きている彼を強く感じるんです
ロビンウィリアムズという俳優がマルコム医師という形で、確かに映画の中に生きている。この事実が私にとっての救いです。
もうリアルの世界では生きていないロビンウィリアムズだけど、レナードの朝を見ているときは、その1秒間だけは彼の生を感じることができる。
頭いっちゃってる感想ですよねww
でも本当にそう思うんですよ
さて、マルコム医師はおいといて。
主人公のレナードに焦点を当てましょう。
身体が硬直し、意志があるのかも分からない患者たち
語弊がありそうですが、人間らしさは感じません。看護師たちも淡々と接するだけ。
でもマルコム医師が現れて薬を投与してから、患者たちは意思表示ができるようになります。
笑うことも、歩くこともできる
母親と散歩をしたり、好きな女性とダンスをすることも…
レナードとマルコム医師は車でドライブに出かけ、アメリカの文化やそこにしかない風景、空気を楽しみます
流れる音楽「Time Of The Season 」が妙に合うんですよね
精神的に元気になったレナードは、病室に隔離されていることがおかしいと主張しはじめます。家に帰りたいと。
でも薬がどこまで作用し続けるか分からないから、病院を好き勝手にでることはできません。
人権に配慮すべきだとレナードは怒りはじめ、むりやり病院を出ようとします
でも、警備員や医者に止められてしまう。
レナードとマルコム医師は喧嘩するけれど、互いの使命みたいなものを認識し始めます。病気の記録を取って、後世に残すという使命です。
レナードをカメラに録画することで記録を残すんですが、痙攣している場面も、硬直するその時も録画をやめさせません
「僕を撮り続けろ。学べ」というのです
ここらへんはもうロバートデニーロが映画を支配しています
レナードは身体をコントロールできませんが、演じているロバートデニーロは完全に映画を自分のものにしています
視聴者はロバートの現実的すぎる演技に嫌でも目が離せなくなるでしょう
ストーリーに戻ります。
レナードは体の自由が効きませんが、好きな女性と会い続けていました
病院の食堂で。
でも彼は言います。
「会うのはこれきりにしよう」と
その時。常に身体が勝手に動いてしまうレナードの手を、彼女はそっと取り、腰に回します。
なぜかレナードの震えは収まり、2人はほんの少しだけダンスを踊り、心を通わせるのです。
そしてレナードは、病院を去る彼女を鉄格子から見送るのです…
その後レナードは他の患者たちと同じように、寝たきり状態に戻ります
夢のようなひとときが終わった瞬間です
悲しい事ではあるんですが、でも、誰もが悲観的になることはありません
今まで患者と職員でしかなかった関係が、症状回復のおかげで家族という関係になれたんです。
その関係は、患者が元に戻ったからと言って消えるわけではありません。
悲しいエンディングだけど、決して悲しすぎるエンディングではないんですよね
心が涙で生温かくなるといいますか。
胸にジーンとくる映画だったなあ、という感想で締めることができます
感想まとめ
なんだか支離滅裂な感想になってしまいましたね…
たぶん私はロビンウィリアムズという人と、マルコム医師を同一化しちゃってます
実際には「医師役」なのに、あたかも本当に人を救った「俳優」だと思っちゃってるんです
まあ彼の映画や笑いのおかげで、本当に命を救われた人はいるでしょうけど
だからこそ「なんで死んだんだろう」って考えちゃうんですよね
わたしもある時すっごい死にたくて、おかげで高校は半分も行ってないんですけど、レナードの朝を見るとその時のことを思い出してしまうんですよ
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映画は暗い感じで終わらないのに、ロビンウィリアムズのことが頭をよぎると気持ちが落ちてしまいます…
本当は彼の演技を楽しんで、驚いて、笑いたいんですけど。
コメディ映画「ミセスダウト」を見てもハッピーな気持ちで終わらないんですよね…
まあそれほどまでにロビンウィリアムズという人が映画にとって、わたしにとって大切な人だということなんでしょう。
いろいろ好きな俳優、女優はいますが、こんなに心に傷を残す俳優はロビンウィリアムズが初めてで最後だと思います。
最後であって欲しいです。
だいぶ暗い感想になりましたが、レナードの朝にはコメディシーンもありますよ!!
ユーモアありまくりなので、いろんな意味で楽しめるかと思います
レナードの朝のキャスト(声優)
監督 | ペニーマーシャル |
レナード・ロウ | ロバート・デ・ニーロ 金内吉男 |
マルコム・セイヤー医師 | ロビン・ウィリアムズ 樋浦勉 |
エレノア・コステロ | ジュリー・カブナー 北浜晴子 |
カウフマン医師 | ジョン・ハード 納谷六朗 |
ロウ夫人 | ルース・ネルソン 中村紀子 |
ポーラ | ペネロープ・アン・ミラー 井上喜久子 |
まとめ
なんだかんだ言ってロビンウィリアムズが大好きです
いつか天国であのくしゃっとした笑顔を見たいです
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