原作者ピエール・ルメートルの「天国でまた会おう」が映画化
私は原作小説を読まずに鑑賞したのですが、なんの不自由もなく最後まで楽しめました
1918年フランスが舞台の戦争詐欺にまつわるサスペンスドラマで、衝撃的なエンディングにちょっと驚き
目に映る全ての物、人、動きが美しく映像美にも注目してほしい映画です
このぺージでは天国でまた会おうのあらすじ、ネタバレ感想、キャストを紹介します
天国でまた会おうの映画情報
タイトル | 天国でまた会おう |
原題 | Au revoir la-haut |
上映時間 | 117分 |
公開年 | 2019年 |
製作国 | フランス |
オススメ度 | ★★★★☆ |
原作はピエール・ルメートルの「天国でまた会おう」
「その女アレックス」の著者が書き上げた、サスペンスあふれる長篇。フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞作
天国でまた会おうのあらすじ
第1次世界大戦の終結目前。
仏軍のプラデル中尉からの不条理な攻撃命令に従ったエドゥアールは、小心者の簿記係・アルベールの命を助け、顔に重傷を負ってしまう。
良家の御曹司で才能あるアーティストであるエドゥアールは家族にも会いたくないと戦死を偽装。
そんな彼をアルベールは手伝うことに。戦後、パリに戻った2人は貧しい共同生活をスタートさせる。
そんな折、かつて彼らの上官だったプラデルが財を築いていたことを知った2人はある壮大な詐欺計画を企てる…
詐欺計画とはつまり戦没者を悼む記念碑を販売するというもの
そのデザインを顎を失ったエドゥアールが担当、デザイン本の資金集めをアルベールが担当することに
販売がスタートするとお金がたくさん集まり、戦没者記念碑コンクールでも優勝
2人と貧困外で出会った少女は集めたお金を手に、アフリカに高跳びしようとするが…
ラスト
戦没者記念碑コンクールの主催者はエドゥアールの父親だった
父親は戦前エドゥアールの絵の才能を馬鹿にしていたが、エドゥアールが死んだと知ってからは態度を変える
ラスト、エドゥアールと父親は再開
父親はマスクの男が戦死したはずの自分の息子と知り、思いの丈を吐いて才能を認める
その直後エドゥアールは涙を流してホテルから飛び降りた
後日アルベールは貧困街と出会った少女と共にアフリカに飛ぶ
しかしその隣にエドゥアールの姿は無いのだった…
天国でまた会おうの感想
戦争詐欺映画と思って鑑賞していたら、ラストビックリ
主人公エドゥアールが確執のあった父親に認められた直後、自殺するなんて‥
親への憎しみ、愛情、戦争で負った傷の傷み、全てがあって自殺したんだと思いますが、切ないようなすっきりしたような、奇妙な気持ちになりました
原作ピエール・ルメートルの小説では「その女アレックス」というサスペンスを読みましたが、あれと似たような余韻のあるエンディングでした
天国でまた会おうの方がサスペンス色は薄いですが、最初から最後まで全て繋がっている点はさすがピエール・ルメートルといったところ
人、モノ、事、全てが一本の糸が繋がっていると分かった時は「そういうことか!」と手を打ちたくなりましたね
また劇中たびたび登場する鏡もキーポイント
そこに映るのは本当の自分か、偽りの自分か…
でも登場人物の心理というのは分かりやすく顔に現れるので、あまり考察を必要とする映画ではありません
そういった意味でも人物の顔あるいはマスクに注目の映画ですね
映像美に注目!
本作は映像が美しく、特に衣装とマスクがかっこいい!
小粋なマスクから、もうめちゃくちゃかっこいいマスクまで色々登場
画面から中々目が離せませんでした!
もちろん華々しいだけでなく、戦争のシーンなんかは痛々しかったりしましたが…
音より映像に注目してしまう映画でしたね
天国でまた会おうのキャスト
監督 | アルベール・デュポンテル |
エドゥアール・ペリクール | ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート |
アルベール・マイヤール | アルベール・デュポンテル |
プラデル | ローラン・ラフィット |
マドレーヌ | エミリー・ドゥケンヌ |
髭のおじさんアルベールを演じた方が監督だったんですね
優しいけれど、友人の為なら非道にもなれる、可愛いおじさん役が素敵でした
そしてもちろん主人公エドゥアール役を演じた方も素敵でした
大きな青い目で感情を表現するのが凄かったです
ラスト、ホテルから飛び降りるシーンも最高にかっこよかった…
まとめ
戦争映画でもあり、詐欺映画でもあり、親子愛の映画でもある。
それが映画「天国でまた会おう」です
タイトルも粋ですねぇ
このタイトルも線で結ばれる点の一部ですね